シャープペンシルの芯の太さに無意味にこだわる

シャープペンシルの芯の太さにはどのようなバリエーションがあるのか、ふと興味を持った。

私自身はこれまで0.9mmの太さのシャープペンシルを愛用してきたのだが、最近になって1.3mmのシャープペンシルというものが存在することを知り、メモ書きに使い始めた。これはこれでなかなか良いものである。最近は極細の0.2mmも学生に人気のようだ。

かつては製図用としても一定の需要があったシャープペンシル(ちなみに米国ではメカニカルペンシル mechanical pencil、英国ではプロペリングペンシル propelling pencil と言うらしい)だが、すでに私が子供のころから製図はCADでやるものになっていたので、そういう需要はほぼ消えたと思しい。今のメインターゲットは一般筆記、それも中高生向けですかねえ。しかし鉛筆と違っていちいち削る必要がなく、ボールペンと違って芯を出しっぱなしにしておいても(当たり前だが)乾かずにすぐ書けるというシャープペンシルの特性は、メモ取り用として机の上に転がしておくには最適なのだ。

ちなみに、シャープペンシルは買うと大体最初はHBの芯が入っているが、まあ好みにもよるんだろうけれど、個人的にはHBはしゃりしゃりしてあまり書き心地が良くないと思う。せめてB、できれば2B以上の柔らかい芯を入れ直すと良い。だいぶイメージが変わります。

なお、Wikipediaの「シャープペンシル」の項目には、

芯の直径はJISでは0.3mm(0.35mm)、0.5mm、0.7mm、0.9mm(1.0mm)、2.0mmが定義されており、これらは製図にも適する公比√2の等比数列に近く構成されている。その他には0.2mm、0.4mm、1.3mm、1.4mm等がある。日本では0.5mmのものが最も多く使われており、芯の種類が最も多い。

とある。なぜ等比数列…。


0.1mm

さすがにこの細さになると、少なくとも一般向けには実用化されていないようだ。英語版Wikipediaのmechanical pencilの項目には、ぺんてるがかつて0.1mmを限定版として出した、というようなことが書かれているが、私自身は確認できていない。

0.2mm

ぺんてる シャープペンシル オレンズ ラバーグリップ付き 0.3mm オレンジ XPP603G-F

製図用としては以前から存在していたようだが、一般に普及させたのは2014年に出たぺんてるのオレンズであろう。どうしたって折れるなら、芯をガイドパイプから出さずに書けるようにすればよいという発想の転換が素晴らしい。学生が使っていたので私も買ってみたが、特に違和感無く書けるし、見た目のデザインにも日本の文房具らしからぬ洗練がある。使ったことが無い方には一度試してみることをおすすめする。

0.3mm(0.35mm)

三菱鉛筆 シャープペン ユニ クルトガ ハイグレードモデル 0.3mm ブルー

標準的な芯径の一つであり、様々なメーカーが出している。私自身は三菱鉛筆が出しているクルトガのハイグレード・モデルというやつを持っている。ハイグレードといっても1000円しませんが…。この細さだと、芯が回転して自動的に研いでくれるというクルトガ・エンジンのありがたみはあまり感じられないのだが、普通に良く出来たシャープペンシルである。なお、0.3mmと0.35mmは基本的に同じとして扱われているようだが、0.35mmと明記されているものとしてはロットリングのティッキー等がある。同じ芯が使えるんですかねえ。

0.4mm

ぺんてる シャープペン グラフ1000 フォープロ 0.4mm PG1004

一般的にはあまり目にしないが、日本においては製図用としてそれなりに普及した芯径のようで(海外では全く使われていないらしい)、様々なメーカーが出している。私自身はぺんてるのグラフ1000フォープロを持っている。このグラフ1000フォープロというのも名作の誉れ高いシャープペンシルで、確かに軽くて一般筆記用としても書きやすい。実はかなり愛用している。

0.5mm

ぺんてる シャープペン スマッシュ Q1005-1 0.5mm

おそらく日本では最も多くのシャープペンシルが採用している芯径であろう。ありとあらゆる製品があるが、たとえばぺんてるのスマッシュが代表ですかねえ。シャープペンシルに限らず基本的にペンはペン先のほうに重心が来るほうが書きやすいのだが、その点スマッシュの重量バランスは完璧だ。Amazonでベストセラー1位らしいがそれも納得である。別に私はぺんてるの回し者ではありませんが…。

0.6mm

まず目にしないレアな芯径だが、トンボ鉛筆がトルコで一時期生産していたらしい。そのうちトルコへ行く機会があったら血眼で探してみようと思う。

0.7mm

ロットリング 800+ メカニカルペンシル+スタイラス ブラック 0.5mm 1900181

複雑で細かい字形を書く必要がある漢字文化圏以外では、最もポピュラーな芯径ではないかと思われる。海外の人(だいたい数学屋)でこの太さのを使っている人は多い。私自身はロットリングの800+を持っている。私が持っている中でおそらく最も高価なシャープペンシルである。見栄を張って買ったのである。そしてあんまり使っていない…。

0.8mm

おそらく存在しないのではないか。まあ別に0.1mm刻みである必要もないわけだが…。

0.9mm(1.0mm)

プラチナ プレスマン シャープペン 速記用0.9mm芯2B 2105010

これまた標準的な芯径であり、多くの製品が存在する。私自身が最も好む太さでもある。たとえばプラチナ萬年筆のプレスマンがそうだ。ちなみに0.9mmはドイツでは1.0mmと同じと見なされるようで、ドイツの1.0mmの芯というのは実は0.9mmと同じ太さらしい。一方、大昔のパーカーのメカニカルペンシルは、本当に1.0mm(正確には0.04インチ、すなわち1.01mm)の径の芯を使っていたという話もある。アメリカでどのようにメカニカルペンシルの芯径が標準化されていったか、なんてのは、経営史か何かの論文ネタになりそうですね。

なお、0.9mm以上になるとちゃんと削った鉛筆の芯先よりも太くなるので、一般的なシャープペンシルの「削らずに済む鉛筆」という性格が保たれるのはこのあたりまでではないかと思う。

1.1mm

Autopoint TwinPoint Mechanical Pencil - Standard Configurations - .1mm Black/.1mm Red 206-1RE by PencilThings [並行輸入品]

日本ではまず目にしないが、アメリカのAutopointという会社がいくつか出しているようだ。特にTwinpointというやつは、昔あった黒赤ダブル鉛筆のように軸の両端にペン先が付いていたりして、なかなか好き者心を誘われる。ちなみにAmazon.co.jpで出品されているのには5000円近い値段が付いているが、本来の値段というかブンドキ.comだと600円くらいである。ぼったくりですなあ。

1.15mm

Retro 51 Tornado Pencil Black Stealth by RETRO 1951 [並行輸入品]

アメリカ・テキサスのメーカーRetro51のトルネード・ペンシルがこの太さの芯を採用している。なんでこんな中途半端な太さを採用しているんでしょうね。クロスワードペンシルはちょっと欲しいけど…。

1.18mm

ヤード・オ・レッド YARD・O・LED パーフェクタ ビクトリアン ペンシル 1.18mm 941311

芯を1.0mmより細くする技術が確立されるまでは、製図用として広く使われていた太さらしい。パーカーなどのアンティークでよく見かけるが、今でも趣味人向けの高級品として作られているようである。イギリスのヤード・オ・レッドあたりが代表例か。もう少し手が出しやすい値段のものとしては、ドイツのメーカーカヴェコの製品などがある。

1.2mm

おそらく存在しないのではないか。まあ1.18mmはほとんど1.2mmみたいなものだが…。

と、ここまで書いてきて言うのもなんだが、実のところ1.1mmと1.15mmと1.18mm(と1.2mm)は基本的に同じ太さではないんですかね。問題は、私がこのあたりの太さのシャープペンシルを一本も持っていないので自ら比較ができないということなのだが(だってどれも高いんだもの)、どなたかご存じの方はご教示いただけるとありがたい。

1.3mm

ステッドラー シャープペンシル 1.3mm 771

最近になって、資格試験のマークシート塗りつぶしに向いているというので一般化した太さである。ぺんてるからは、その名もずばりマークシートシャープというのが出ている。

私自身が1.3mmの存在を知ったのは比較的最近のことだ。たまたま雑貨屋の店頭で見かけた、スズメバチみたいな派手派手しい色のへんてこなシャープペンシルが、実はステッドラーの製品ということに気づき、びっくりして買ってしまったのである。771というのがそれだが、ドイツで製図用品でお堅いというイメージのステッドラーらしからぬ悪趣味な色使いと太軸ぶりが気に入った。見た目はアレだが、軽くて手になじむ軸の太さなので非常に書きやすく、今ではこればかり使っている。なおアリスト(Aristo)というオーストリアのメーカーの3fitというのもよく目にするが、これも細身の三角軸で握りやすくなかなか良い。771よりも穏当なデザインの1.3mmシャーペンが欲しければ、これ一択ではないかと思う。国産品ではコクヨの鉛筆シャープなどもある。建築の世界では、建材へのいわゆるすみつけに広く使われているようだ。ちなみに1.3mmの替え芯はHBばかりなのだが、日本ではコクヨが2Bの替え芯を出していておすすめである。海外でも珍重されているらしい。

1.4mm

ラミー ペンシル abc ブルー 1.4mm L109 正規輸入品

日本製品は見かけないが、ラミーやスタビロ、ファーバーカステルなど海外のメーカーが、主に子供の教育用として出している芯径のようだ。大人向けにもファーバーカステルがエモーション(e-motion)というのを出している。ちょっと欲しい。

1.5mmから1.9mm

私が知る限りでは存在しないと思うのだが、あまり自信はない。何かご存じの方はご教示ください。

2.0mm

北星鉛筆 大人の鉛筆 B/2mm 芯削りセット OTP-680NST

このへんがおそらく「シャープペンシル」の限界で、これ以上になると芯の繰り出し機構が無くなり、芯ホルダーとかクラッチ・ペンシルと呼ばれることが多くなるように思われる。削っていない鉛筆の芯とほぼ同じ太さであり、基本的には専用の芯研器を使って芯を削らないといけない(もちろんデッサンなどお絵かき用途ならその限りではないが)。最近はいわゆる「大人向け鉛筆」ブームで、これまた様々なメーカーが出すようになった。ブームの火付け役になった北星鉛筆大人の鉛筆や、OHTOの木軸シャープあたりが代表か。2.0mmというのも、これはこれで独特の書き味があってなかなか良いものである。鉛筆使えよという話でもあるが。

というわけで、新年早々何やってんだという感じではあるが、あけましておめでとうございます。今年もよろしく。

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